【第52回】100%実在する男女逆転風俗 その14

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あまりノンビリはしていられない。残りのジュースを飲み干すと、僕は再び若者たちをかき分けてハンバーガーショップを後にした。家路を急ぐサラリーマンと学生でスシ詰めになった電車に乗り込んで編集部を目指す僕。

 

編集部に戻ると僕以外の2人のスタッフがパソコンに向かっていた。

「行ってきましたよ。出張ホスト」

「お!どうだった?」

興味津々の2人に僕は出張ホストのシステムを伝えた。

 

「そっか。基本的にデリヘルと同じシステムなんだ」

「基本的にはそうだね。でも、レディがお客さんだからさ、細かい部分は勝手が違うみたい」

アレコレと質問攻めにされ、ひとつひとつに答える僕。

 

「それでさ、取材の終わりにこんな名刺貰っちゃって」

僕はマコトの名刺を編集部スタッフに見せた。

 

「菅原隼人?この人、出張ホスト?」

「菅原隼人はナンバーツーのマコトってホストの本名でさ、イラストレーター目指してるみたい。イラストを送るから見て欲しいんだって」

マコトについて簡単に説明をする僕。

 

「へぇ。でも、ぶっちゃけウチで需要無いでしょ?ソープやヘルスのイメージイラストなんて使わないし」

「俺もそう思ったんだよ。漫画家なら需要もあるんだけどねぇ」

風俗ファンの諸兄であればご存知だろうが、風俗雑誌に漫画はつきもの。プレイ内容を的確に伝えられるだけでなく、箸休めの役割もある。しかし、イラストを使うケースは稀だ。仮にイラストが必要だったとしても、僕の編集部では漫画家に依頼することが通例となっている。

 

「まあ、イラストが届いたら皆に見せるからさ」

「了解。楽しみにしてるわ」

 

雑談を終えた僕はパッションの素材を大まかにまとめる。素材が豊富であることから、出張ホストの記事は残り半日で終わるだろう。執筆を明日に回すことにして、僕はその日の仕事を終えた。

 

翌朝から執筆に取りかかると、昼過ぎには出張ホストの記事が終わった。素材が豊富だったこともあって、想像以上に早い仕上がりだ。そして、編集部の僕のメールアドレスのチェックをすると、一通のメールが届いているではないか。もちろんマコトからだ。添付されたZIPファイルを解凍すると、10枚ほどの画像ファイルが含まれている。メール本文も満足に読まず、僕はまずイラストをチェックした。

 

萌え系の女の子のイラストが数点、そのほかにバイクに二人乗りをするカップル、戦士や魔法使いのファンタジー系もある。

 

僕は仕事柄、アダルト系の漫画家と仕事をすることが多い。僕に絵心は一切無いが、一丁前に漫画家にイラストのイメージ指示などを出している。そのため、それなりにイラストのことは分かっているつもりだ。

 

その僕が判断するに、残念ながらマコトのイラストはプロと呼べるものでは無い。しかし、僕だけで判断をすることは出来ないだろう。編集部のスタッフにマコトのイラストを見せることに。

 

「うん。これはマズイなぁ。さすがに使えないでしょ」

「ダメだね」

辛辣なコメントを並べるスタッフたち。

 

続く