第57回_風俗雑誌とマンガ家_その1

更新

“あの人は今”

 

“あの人は今”とは、古くからテレビ界に存在する人気コンテンツのひとつで、かつて一斉を風靡したにも関わらず、メディアに出ることの無くなったタレントや役者、歌手などの今の生活を伝えるものだ。

 

芸能界を引退してビジネスで成功しているケースもあれば、女性であれば専業主婦として生活しているケースもある。中には日本に情報が入って来ないだけで、海外に舞台を移して活躍していることも少なくない。当時のファンであれば、こういった幸せそうな姿を見るだけで嬉しいものだ。

 

しかし、大部分は細々と活動を続けている状況だ。タレントであれば地方番組のレポーター、役者であればドラマの端役、歌手であれば小規模のライブハウスでの活動などだろう。

 

かつてはゴールデンタイムの番組や武道館のステージなど、華やかな舞台に立っていたスターたちが活動を続けていることは喜ばしいことでもあるが、多くの視聴者は「今はこんなに売れなくなっちゃったのか」、「あのスターも年取ったな」、「惨めだな」などと考えてしまうもの。

 

他人の不幸は蜜の味

 

いつの時代も、“あの人は今”が人気コンテンツであることは納得だ。

 

エンターテイメントやショービジネスの世界で成功することは並大抵のことでは無いが、それ以上に大変なことは成功を維持すること。そして、かつての輝きを放たなくなった途端に、好奇の目にさらされてしまう。それではなぜ、彼らは表舞台から去ったにも関わらず、舞台にこだわり続けるのだろうか。きっと、舞台には“他人の不幸”以上に“甘い蜜”があるからだろう。

 

テレビ番組の“あの人は今”に登場するのは芸能人だけだが、表舞台から去るのは芸能人だけでは無い。マンガ家もそういった職業のひとつだ。もちろん、マンガ家はひとつのヒット作品があれば、アニメ化、映画化、ドラマ化などで収入を得るチャンスがある。近年であればパチンコ化でリバイバルヒットすることも珍しく無い。

 

しかし、最も大変なのはヒット作品も出せずに消えていったマンガ家たちだ。特に100万部を超える有名マンガ雑誌で連載を持ったにも関わらず、鳴かず飛ばずで打ち切られたケースは悲惨だろう。同じ雑誌に掲載されている人気マンガ家と比較されるだけでなく、100万人以上の読者から、「あのつまらないマンガを描いた打ち切りマンガ家」と記憶されてしまうのだ。

 

そういったマンガ家はどうしているのだろうか。実はその一部は風俗雑誌に舞台を移している。風俗雑誌には必ずソープランドやデリヘルの体験マンガが掲載されているが、そういったマンガを描いているのだ。

 

続く