【第45回】100%実在する男女逆転風俗 その7

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岸田さんはスッと立ち上がると、岸田さんの真後ろにあるドアを開けた。

ドアの向こうは僕の位置から丸見えとなっており、チラリと覗くとこざっぱりとした部屋にテーブルと5~6脚のパイプ椅子が並ぶ。

そのテーブルの奥にはアパレルショップにあるような大きな姿見があり、それに向かって身だしなみを確認しているスラリとした男性と、パイプ椅子腰掛けている小柄な男性がいる。恐らくこの2人が出張ホストなのだろう。

岸田さんに促されて2人が僕の前に登場すると、慌てて立ち上がって頭を下げる僕。

「はじめまして。ホシノと申します。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

2名の出張ホストは岸田さんと同様にビシっとスーツを着込み、ホテルマンのように背筋を伸ばして僕に挨拶をしてくれた。

「それじゃあ、僕の方から紹介しますね。背の高い彼がナンバーワンのレイ、こっちの小さい方がナンバーツーのマコトです」

気を利かせてくれる岸田さん。

スラリとしたレイはヴィジュアル系バンドマンのようなルックスで、伸長は180センチオーバーの長身細身。年齢は20代後半だろうか。まるで王子様のようなルックスはナンバーワンに相応しい。

小柄な方のマコトはやや短めのヘアスタイルで、ヤンチャな少年のような顔立ちをしている。伸長は160センチちょっとだが、こういったタイプの男性を好む女性は多いことだろう。

早速、僕は2人に取材を始めた。

「お二人はスーツが似合ってますけど、スタンダードなホストの経験はあるんですか?」

細身のレイが落ち着いた口調で話す。

「そうですね。僕たちは2人ともホスト出身ですよ。パッションのスタッフもほとんどがホスト経験者じゃないかな?」

レイがチラリと岸田さんを見ると、岸田さんが笑顔で答える。

「ウチのスタッフはほとんどが元ホストですね。僕もホストやってて、その後に出張ホストになって、今は裏方になりました」

男性向け風俗の世界でも風俗嬢が引退後にスタッフになるケースはあるが、それはかなりだろう。

僕は質問を続けた。

「スタンダードなホストと出張ホストの二種類がありますけど、どういった違いがありますか?」

小柄なマコトがすぐさま答える。

「普通のホストって基本的にチームプレイなんですよ。バラエティ番組と一緒で司会進行役、ボケ役、ツッコミ役、イジられ役みたいな感じで、役割分担がはっきりしてるんです。

「そういった接客が基本なんですね」

「はい。そうなんですけど僕はチームワークが苦手で。どうしてもマイペースに話し続けちゃうんで、煙たがられるようになったんですよ」

「本領発揮出来なかったということですか?」

「そうですね。出張ホストはマンツーマンの接客だから、僕にマッチしてたんです」

マコトは少年のような顔で照れくさそうな笑顔を浮かべた。

「それでは、レイさんはどういった経緯でパッションに入店したんですか?」

細身のレイがゆっくりと口を開いた。

「ホストを辞めてフラフラしてた時、ネットでパッションの存在を知りました。僕はずっと風俗遊びをしたことが無くて、デリヘルとかソープとか全然知らなかったんです。だから、最初はシステムがチンプンカンプンでしたよ」

続く